【仏教ブログ】蓮如上人が「御正忌の章」で勧められたこと

光顔寺明照廟堂(光顔寺 納骨堂)のスタッフ、仏教アドバイザーの宮田秀成です。

報恩講とは、浄土真宗を開かれた親鸞聖人の恩徳に報謝する法要です。親鸞聖人の祥月命日に勤修されることから御正忌報恩講と言われます。

蓮如上人は、「御正忌の章(5帖目11通)」といわれる御文章で、以下のように書かれています。

信心を獲得せしめたるひともあるべし、また不信心のともがらもあるべし。もつてのほかの大事なり。そのゆゑは、信心を決定せずは今度の報土の往生は不定なり。

(大意)

報恩講に参詣されている人の中で、信心を獲得された人もあり、不信心の人もいる。これは大変な事です。なぜなら、信心を決定しなければこの度の浄土往生は定まらないからです。

されば不信のひともすみやかに決定のこころをとるべし。

(大意)

だから、不信の人もはやく信心決定の身に救われて下さい。

また、少し後の所には

いそぎて安心決定して、浄土の往生をねがふべきなり。

急ぎ信心決定の身になり、浄土往生させていただくことを願う身になりなさいと言われています。

これだけ繰り返して同じ事を書かれるのは、それだけ浄土往生は信心一つであると明らかにされたのが親鸞聖人だったからです。

その親鸞聖人の御正忌報恩講に、聖人の恩徳に報謝の気持ちで参加される人は、親鸞聖人が明らかにされたように信心決定して浄土往生定まる身になって欲しいと蓮如上人は書かれています。

では、信心決定とはどういうことなのかについて、同じ御文章で以下のように書かれています。

南無阿弥陀仏の六つの字のこころをよくしりたるをもつて、信心決定すとはいふなり。

(略)

されば南無阿弥陀仏の体をかくのごとくこころえわけたるを、信心をとるとはいふなり。

南無阿弥陀仏はどういういわれであるかを、聞いて疑い無いことが信心決定・信心をとることだと言われています。

それをまた詳しく明らかにされたのが親鸞聖人ですから、その親鸞聖人の教えを聴聞し、信心決定して浄土に往生させていただくのが、本当の報恩ということになります。

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宮田秀成/光顔寺・仏教アドバイザー(真宗教義、脱カルト担当)

Profile
1993年に宗教法人浄土真宗親鸞会に入信、10年間親鸞会講師として活動。
脱会後、親鸞会の教えの誤りに気づき、本願寺派の教えを中心に学びなおす。
現在、浄土真宗本願寺派光顔寺(富山)信徒。
   光顔寺スタッフ。仏教アドバイザー。

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