【仏教ブログ】寺にアジサイが多い理由

光顔寺明照廟堂(光顔寺 納骨堂)のスタッフ、仏教アドバイザーの宮田秀成です。

今年は梅雨の入りも早く、雨が多く続いています。この時期に咲く花といえばアジサイが有名です。

アジサイといえばアジサイ寺というのもあるほどよくお寺で見かけます。では、なぜアジサイを植えたお寺が多いのでしょうか?

アジサイが咲く梅雨の季節は、季節の変わり目で亡くなる人も多くありました。その際に、お仏花として簡単に手に入れることができました。また、アジサイの特徴の一つとして、手間をかけずとも育つというのがあります。勝手に育つとともに、手入れをしなくても寺の中が荒れるということもありません。

また「四葩(よひら・花弁が4枚ある)」の別名をもつアジサイが、「死(4)」を連想することも理由のひとつにあったといわれています。

いろもさまざまに変わるため、花言葉に「無常」「移り気」があります。

正岡子規の俳句に

「紫陽花や きのふの誠 けふの嘘」

というのがあります。

諸行無常と仏教では言いますが、昨日まことだと思っていたことが、今日はウソになってしまうことを紫陽花の花に例えています。

今日は大丈夫だと思っていたことも、次の日にはそうでなくなってしまうものの最たるものが人の命であり健康です。昨今のコロナ禍ではその例はたくさん見聞きしてきました。

浄土真宗では、阿弥陀仏にただ今救われると必ず浄土に往生する身に定まると教えられています。浄土と聞くと、何かおとぎ話やウソのように思う方もありますが、そんなきのうのウソが今日はまことと言える救いがあります。

あらゆるものが変わる世の中で、これだけは変わらないというのが浄土に往生させて仏にしてみせるという阿弥陀仏の救いです。

アジサイの花を見た時に思い出して下さい。

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宮田秀成/光顔寺・仏教アドバイザー(真宗教義、脱カルト担当)

Profile
1993年に宗教法人浄土真宗親鸞会に入信、10年間親鸞会講師として活動。
脱会後、親鸞会の教えの誤りに気づき、本願寺派の教えを中心に学びなおす。
現在、浄土真宗本願寺派光顔寺(富山)信徒。
   光顔寺スタッフ。仏教アドバイザー。

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