【仏教ブログ】降誕会・親鸞聖人のご生誕を祝う理由
光顔寺明照廟堂/水月精舎(光顔寺 納骨堂)のスタッフ、仏教アドバイザーの宮田秀成です。
5月に入り、新緑のまぶしい時期となりました。
京都の本願寺では毎年5月20日21日に宗祖降誕会が開かれます。浄土真宗を開かれた親鸞聖人の誕生を祝う法要です。
親鸞聖人は、1173(承安3)年5月21日、京都伏見の日野の里でお生まれになったと伝えられています。日野の里では、江戸時代から誕生をお祝いする行事が行われていたようです。
このように親鸞聖人の誕生を毎年お祝いしているのは、いわゆる「偉人の誕生記念日」という意味ではありません。私が、阿弥陀仏の本願を聞く縁が開かれた日でもあるからです。なぜなら、親鸞聖人が浄土真宗のみ教えを明らかにされたことで、今日の私も阿弥陀仏の本願を聞くことができるからです。
親鸞聖人は、9歳で出家をされ比叡山で20年間修行に打ち込まれました。その後、比叡山を降りて法然聖人の元で阿弥陀仏の本願を聞かれることになります。

その時の様子が、恵信尼消息に書かれています。これは親鸞聖人の内室、恵信尼公が末娘の覚信尼公に書かれた手紙です。
ただ後世のことは、よき人にもあしきにも、おなじやうに生死出づべき道をば、ただ一すぢに仰せられ候ひしを、うけたまはりさだめて候ひし(恵信尼消息1)
法然聖人が話をされた内容がこのように書かれています。
後世というのは、来るべき世のことで、私のこの世の生が終わった後の世のことを後生ともいいます。仏教では、生まれては死にを繰り返しているのが私たちの姿だと教えられています。それを生死流転ともいいます。その生死から出て離れることを、生死出離といいます。
善人でも悪人でも同じように後生を迎えます、どんな人にもその「生死出づべき道」を法然聖人は教えていかれました。それを聞いていかれたのが親鸞聖人です。
法然聖人から、念仏往生の願を聞かれた親鸞聖人は、私たちにその念仏の救いを教えていかれました。「生死の問題」は、私も含めて無関係な人はいません。その「生死出づべき道 」を親鸞聖人は明らかにして下さいました。私がそれを聞かせていただけるのは、その親鸞聖人がお生まれになられたからだと喜んで行われるのが降誕会です。
※上下の画像は生成AIが考えた「自らが阿弥陀如来に救われ(上)、生死出づべき道を人々に取り次ぐ親鸞聖人(下)」です。

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Profile
1993年に宗教法人浄土真宗親鸞会に入信、10年間親鸞会講師として活動。
脱会後、親鸞会の教えの誤りに気づき、本願寺派の教えを中心に学びなおす。
現在、浄土真宗本願寺派光顔寺信徒。
光顔寺スタッフ。仏教アドバイザー。