【仏教ブログ】年賀状や手紙は本当に伝えたい事を
光顔寺明照廟堂・水月精舎(光顔寺 納骨堂)のスタッフ、仏教アドバイザーの宮田秀成です。
今年も残すところわずかとなりました。特に今年は夏の暑い時期が長く続き11月にも夏日を記録した日もあった為、秋がないまま年末になったという感じです。
年末になると年賀状の準備をされている方も多いかと思います。近年は年賀状を書かない人も増え、また書いてもプリンターで出力する人が殆どとなってきました。
親鸞聖人の時代は、手紙といえばもちろん直筆で書かれていました。また、手紙だけでなくたくさんの本も書かれています。親鸞聖人の手紙も本も、人に伝えたい事があって書かれています。その伝えたい事は、阿弥陀仏の救いであり、念仏の救いです。
それをどういう気持ちで書かれていたのかを、一念多念証文にこう書かれています。
ゐなかのひとびとの文字のこころもしらず、あさましき愚痴きはまりなきゆゑに、やすくこころえさせんとて、おなじことをとりかへしとりかへし書きつけたり。こころあらんひとは、をかしくおもふべし、あざけりをなすべし。しかれども、ひとのそしりをかへりみず、ひとすぢに愚かなるひとびとを、こころえやすからんとてしるせるなり。
これを書かれたのは親鸞聖人85歳の時です。当時の難しい漢字の意味も分からない人たちの為に、何とか分かってもらおうと同じ事をいろいろ言葉を変えて書かれています。これを仏教学者が読んだならば、この本をおかしく思うだろうし、バカにもする人もいるだろうと言われています。しかし、人が非難する事も気にせず、あまり文字が読めない人々に、分かってもらう為に書いたと言われています。
親鸞聖人は大変な学者です。主著である「顕浄土真実教行証文類」は、浄土真宗の教えの元となる御本典と言われます。この本は、主に当時の学者を念頭に書かれているので大変難解です。それ以外にも漢文で書かれた著作は多数あります。
その一方で、和讃を始めとして一般の人にも分かるように書かれたものも多数あります。それらの多数の著作や手紙は、私のような愚かな者に念仏の救いを伝える為に何度も何度も書かれたのでした。
半ば義務的に年賀状を書かれている方もおられるでしょうが、どうしても伝えたい事を書かれてはいかがでしょうか。
本当に相手に伝えたい文章はいつまでも残るものです。実際親鸞聖人の書かれたものは、800年経った今でも私たちに伝わっています。
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宮田秀成/光顔寺・仏教アドバイザー(真宗教義、脱カルト担当)
Profile
1993年に宗教法人浄土真宗親鸞会に入信、10年間親鸞会講師として活動。
脱会後、親鸞会の教えの誤りに気づき、本願寺派の教えを中心に学びなおす。
現在、浄土真宗本願寺派光顔寺(富山)信徒。
光顔寺スタッフ。仏教アドバイザー。