【仏教ブログ】お彼岸と墓参りについて
光顔寺明照廟堂/水月精舎(光顔寺 納骨堂)のスタッフ、仏教アドバイザーの宮田秀成です。
3月は春分の日を中心にした7日間にお彼岸の法要が各地で行われます。春分の日と秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈むので、西方浄土が思われる日でもあります。なぜなら、阿弥陀経に極楽浄土は、西方にあると説かれているからです。
また、お彼岸にはお墓参りをされる方も多くおられます。一般には、お墓にご先祖様がいらっしゃると思い、個人の冥福を祈るために墓参りをすると思われています。しかし、浄土真宗での墓参りは、お墓にご先祖様がおられないと教えられています。
浄土に往生された方は、浄土に往生して仏のさとりを開かれて、衆生済度の働きをされていますので、一ヶ所にいつまでも留まっておられることはありません。
浄土真宗の妙好人として「庄松(しょうま)」という人がおられました。この人は「私は墓の下にはおらん。南無阿弥陀仏の中におるぞ」と言い残しています。
では、浄土真宗では何のために墓参りをするのでしょうか?
庄松の言葉に表れているように、お墓は故人がいる場所ではなく、私たちが仏の教えに触れ、念仏を称えさせていただく場であるということです。お墓参りの際には、無言で手を合わせるのではなく、お念仏(南無阿弥陀仏)を称えることが大切にされています。そして、私が仏法に触れることになった、ご先祖様への感謝を深める場であると言うことです。
浄土真宗を開いた親鸞聖人は、弟子への手紙の中でこのように書かれています。
この身は、いまは、としきはまりて候へば、さだめてさきだちて往生し候はんずれば、浄土にてかならずかならずまちまゐらせ候ふべし。(親鸞聖人御消息)
(現代語版)
わたしは今はもうすっかり年老いてしまい、きっとあなたより先に往生するでしょうから、浄土で必ずあなたをお待ちしております。
お墓参りは、ご先祖様の冥福を祈るためではなく、私がお念仏申して「私も浄土に往生させて頂きます」とご先祖にも感謝する場であって欲しいと思います。
※下の画像は生成AIが考えた「お彼岸にお念仏を申して感謝している人」です。

Profile
1993年に宗教法人浄土真宗親鸞会に入信、10年間親鸞会講師として活動。
脱会後、親鸞会の教えの誤りに気づき、本願寺派の教えを中心に学びなおす。
現在、浄土真宗本願寺派光顔寺信徒。
光顔寺スタッフ。仏教アドバイザー。