【仏教ブログ】報恩講は未来への法座

光顔寺明照廟堂/水月精舎(光顔寺 納骨堂)のスタッフ、仏教アドバイザーの宮田秀成です。

11月になると、浄土真宗のお寺では報恩講が勤められます。報恩講は、浄土真宗を開かれた親鸞聖人のご命日にあたる季節に、そのみ教えを頂く者として、そのご恩に報いる法要です。

今から750年以上前に浄土往生をされた親鸞聖人のいわば法事にあたる行事ですから、そう聞くと自分から遠く離れた過去の方を偲んで行われる法要のように思う人もあると思います。

しかし、この報恩講は、浄土真宗のみ教えを未来へとつなぐ法要でもあります。

親鸞聖人は、約800年前にお生まれになり、この浄土真宗のみ教えを明らかにして下さいました。そのみ教えは、浄土真宗辞典によれば以下のように書かれています。

浄土真宗……往生浄土を説く真実の教え。真実の教である『大無量寿経』に説かれた阿弥陀仏の選択本願を指し、具体的には弘願他力の念仏成仏の教えをいう」

浄土真宗とは、他力念仏によって、私が往生浄土の身に救われる教えです。報恩講も、その為に開かれるものです。いわゆる「故人の為の法事」ではありません。

もちろん、その教えが現在まで伝わってきたのは親鸞聖人のご恩が一番です。しかし、それを伝えてきてくださった先達の方々がいなければ、今私がこうして浄土真宗のみ教えを聞かせていただくことはできませんでした。

その意味で、報恩講はこの浄土真宗次の世代へ伝えるという大きな役割があります。近年は、お寺へ来られる方が少なくなってきたといわれますが、それでも初めて法座に参加したのが報恩講であるという方も多いものです。

浄土真宗は、私が救われたらそれで終わりという教えではありません。

親鸞聖人は、この浄土真宗の教えを教行信証という本に書き残されました。その最後のあたりにこのように書かれています。

前に生れんものは後を導き、後に生れんひとは前を訪へ、連続無窮にして、願はくは休止せざらしめんと欲す。

(現代語版)

前に生まれるものは後のものを導き、後に生まれるものは前のもののあとを尋ね、果てしなくつらなって途切れることのないようにしたいからである。

教えは、次の世代へ、次の世代へと伝えられ現在まで届いています。今の私がまた次の世代へと繋いでいかねばなりません。その大きな場が、報恩講です。

今年の報恩講も、どうぞお参りください。

※上の画像は生成AIが考えた「前に生れんものは後を導き、後に生れんひとは前を訪へ、連続無窮にして、願はくは休止せざらしめんと欲す。」です。

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Profile

1993年に宗教法人浄土真宗親鸞会に入信、10年間親鸞会講師として活動。

脱会後、親鸞会の教えの誤りに気づき、本願寺派の教えを中心に学びなおす。

現在、浄土真宗本願寺派光顔寺信徒。

   光顔寺スタッフ。仏教アドバイザー。

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