【仏教ブログ】台風の中、法然聖人の元へ行かれた親鸞聖人

光顔寺明照廟堂(光顔寺 納骨堂)のスタッフ、仏教アドバイザーの宮田秀成です。

今年も猛暑でしたが9月に入るとさすがに朝夕は涼しくなってまいりました。昨今の温暖化の影響もあってか、台風も8月末から続けて発生しています。

数年前より、以前は通らなかったコースを通る台風も出てきて注意が必要となっています。そんな台風となれば、外に出歩かないのが普通ですが、親鸞聖人の奥様である恵信尼公の書かれた手紙には、若き日の親鸞聖人が台風の中にも出かけておられたことが書かれています。

これは、親鸞聖人が御往生されたあとに恵信尼公が、娘の覚信尼公に書かれた手紙に書かれているものです。親鸞聖人が、比叡山を降りられて法然聖人にあわれたあたりのことを書かれています。

また百か日、降るにも照るにも、いかなるたいふにもまゐりてありしに、ただ後世のことは、よき人にもあしきにも、おなじやうに生死出づべき道をば、ただ一すぢに仰せられ候ひしを、うけたまはりさだめて候ひしかば(恵信尼消息)

法然聖人から教えを聞かれるようになり、それからは100日の間、雨の降る日も、照りつける日も、どんな大風が吹く日でも参詣をされました。そして、法然聖人は、どんな人に対しても同じように生死を出る道をただ一筋に教えてくださいました。それを親鸞聖人は聞いていかれたということが書かれています。

どんな天候の中でも、法然聖人のところへ行かれたのは「生死出づべき道」を聞くためだったと書かれています。

「生死」というのは、迷いの世界そのものを指す言葉です。いわゆる六道という世界を生まれ変わり死に変わりしながら輪廻することをいいます。その生死から出て離れる道のことをここでは「生死出づべき道」といわれています。

法然聖人は、南無阿弥陀仏一つで生死を離れて浄土に往生する道を教えていかれました。それを聞くために、どんな状況であっても通い続けられたのは、ひとえにこの「生死を出る」ことが大変大事な問題だったからです。親鸞聖人は、その法然聖人の教えによって生死を離れて浄土往生する身に救われていかれました。

ただこれは、親鸞聖人だけに関係することではなく、後世のことはどんな人にとっても必ずやってくる問題です。台風が来るのも心配ですが、生死の問題も考えてみられてはいかがでしょうか。

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宮田秀成/光顔寺・仏教アドバイザー(真宗教義、脱カルト担当)

Profile
1993年に宗教法人浄土真宗親鸞会に入信、10年間親鸞会講師として活動。
脱会後、親鸞会の教えの誤りに気づき、本願寺派の教えを中心に学びなおす。
現在、浄土真宗本願寺派光顔寺(富山)信徒。
   光顔寺スタッフ。仏教アドバイザー。

【仏教ブログ】台風の中、法然聖人の元へ行かれた親鸞聖人” に対して2件のコメントがあります。

  1. 河原博夫 より:

    ご教導ありがとうございました。南無阿弥陀仏。合掌

    1. kougwanji より:

      メッセージありがとうございます。 合掌 称名

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