【仏教ブログ】卒業ソング「さよならぼくたちのほいくえん」から人生卒業後の姿を思う
光顔寺明照廟堂(光顔寺 納骨堂)のスタッフ、仏教アドバイザーの宮田秀成です。
卒業式によく歌われる卒業ソングというものがあります。
昔からよく歌われるのが「仰げば尊し」「蛍の光」「贈る言葉」ですが、最近では「3月9日」などいろいろな曲が歌われています。
どの曲も、これまでの歩みを振り返り別れを惜しみつつエールを送る内容となっています。
その中で、幼稚園保育園でよく歌われる「さよならぼくたちのようちえん(ほいくえん)」はそれらと
はまた違った内容となっています。
これまでの生活を振り返る内容に続き、
「さよなら ぼくたちのほいくえん ぼくたちの遊んだ庭
このつぎ遊びにくるときは ランドセルの一年生」
と歌います。
いろいろな卒業ソングの中で、「このつぎ遊びにくる」というのは珍しいと思います。それも今度は幼稚園児ではなく、ランドセルの一年生になってまた来るというものです。
幼稚園を卒業した子供は、間違いなくランドセルの1年生になることからこういう明るい未来を歌詞にしてあるのだと思います。
私の人生の卒業には、それまでの人生を振り返り、別れを惜しむことも大切ですが、「このつぎ遊びにくる」といえるようなものであって欲しいと思います。
浄土真宗では、浄土に往生された方は必ずほとけのさとりを開きます、その後は、親兄弟、妻子を済度するためにそれらの人のいる世界に帰ってくると言われます。
そのことを歎異抄にはこのように言われています。
ただ自力をすてて、いそぎ浄土のさとりをひらきなば、六道・四生のあひだ、いづれの業苦にしづめりとも、神通方便をもつて、まづ有縁を度すべきなりと
(歎異抄5条)
たとえ亡き父母がどんな世界でどんな姿に生まれていたとしても、そこまでいって再度するのだと言われています。
この世と別れるのは名残惜しくても、浄土に往生すると速やかに仏となってまた衆生済度に還ってくることを還相回向の働きと言われます。
生きているあいだに浄土往生する身になって頂きたいと思います。
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宮田秀成/光顔寺・仏教アドバイザー(真宗教義、脱カルト担当)
Profile
1993年に宗教法人浄土真宗親鸞会に入信、10年間親鸞会講師として活動。
脱会後、親鸞会の教えの誤りに気づき、本願寺派の教えを中心に学びなおす。
現在、浄土真宗本願寺派光顔寺(富山)信徒。
光顔寺スタッフ。仏教アドバイザー。