
【路念仏とは】故人さまとの思い出の道を、感謝の念仏で辿る
路念仏は、故人さまとの思い出が詰まった道を、阿弥陀さまの大きな慈しみを讃えるお念仏と共にお送りする習わしです。その心と形についてお伝えします。
「路念仏」は浄土真宗では原則として「じねんぶつ」と読みます。出棺勤行の後、火葬場へと向かう道すがらや故人ゆかりの場所で心を込めて「南無阿弥陀仏」のお念仏をお称えすることがあります。現在この地域(石川県・富山県など)の葬祭ホールでは出棺勤行の後、式場内や敷地内で故人が慣れ親しんだ場所を心に思い描きながらこの路念仏をお勤めしその後葬儀へと進む形も多く見られます。
このひとときは故人がこの世で歩んでこられた道のりを様々な思い出と共に静かに心に思い起こし、その温かい笑顔や優しいお言葉、私たちに与えてくださった励ましや教えの一つひとつに改めて「ありがとう」という感謝の気持ちを捧げる心温まる時間です。
そしてそれはただ故人を懐かしむだけでなく、故人がその生涯を通して私たちにお念仏の尊い教えとのご縁を結んでくださったこと、そしてどのような時も私たちを大きな深いお慈悲(おじひ)と清らかな智慧(ちえ)のお心で優しく見守りお導きくださる阿弥陀さまの限りなく温かいお心に心からの感謝を込めてお念仏をお称えする時間でもあります。この路念仏は、遺された私たちが故人との思い出を胸に、これからも仏さまの教えを人生の依り処として生きていくことの尊さをあらためて心に深く味わい、そのお念仏申す喜びが自然と阿弥陀さまへの感謝の表明となる、大切なひとときなのです。
