【仏教ブログ】年賀状が発売開始—真宗で一番読まれている手紙は御文章

光顔寺明照廟堂(光顔寺 納骨堂)のスタッフ、仏教アドバイザーの宮田秀成です。

今年も早いもので、10月となりました。10月29日には年賀状も発売されるとのことです。

年賀状と言えば、日ごろお世話になった方に出すものですが、年を重ねるともう今年はあの人に出すことはなくなったということも増えてきます。

手紙は出す人と受け取る人があって初めて成立するものです。

宛て先のない手紙は、ポストに投函しても、相手に届くことはありません。そこで手紙と言えば、浄土真宗で最も読まれている手紙は、蓮如上人の御文章です。

御文章は、蓮如上人が門徒の要請によって書き始められたものです。最初は寛正2年(1461)頃とされています。それから生涯にわたって書き続けられ、その数は二百数十通に及びます。

その後、本願寺9代実如上人によって5帖御文章80通が選ばれ、本願寺10代証如上人によって出版され、全国の寺院、門徒に付与されました。それ以来、現在まで勤行や法話の後に拝読されています。

あまり法話にご縁のない方でも、葬式で「白骨の章」を聞かれたことはあるのではないでしょうか。

また、家に五帖の御文章があるという方もいらっしゃいます。それらの人にしてみると、すでに御文章という手紙が沢山家に届いているということです。

では、蓮如上人からの手紙が私に届けられているかというと、そうではありません。蓮如上人御一代記聞書にはこのようにあります。

一、御文は如来の直説なりと存ずべきのよしに候ふ。形をみれば法然、詞を聞けば弥陀の直説といへり

御文章は、阿弥陀如来の直接の説法だと思うべきである。それは、かつて法然上人が話をされると「形をみれば法然、言葉を聞けば阿弥陀如来の直接の説法」といわれたのとおなじことである。

真宗では、御文章をそのように阿弥陀如来から私への手紙であると頂いてきました。蓮如上人は、阿弥陀如来の説法を代筆して書かれているのだというものです。

では、阿弥陀仏は私にどのように説法をされているのでしょうか。

それは、私の後生について、「私をたのめ、必ず助ける」と呼びかけられています。

その呼びかけが、南無阿弥陀仏であり、手紙にしたのが御文章です。自分宛ての手紙は、誰からか分からないとしても一度は開けて目を通すと思います。そのように、私宛てに書かれた御文章という手紙を、家にある方は一度開いてみてください。

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宮田秀成/光顔寺・仏教アドバイザー(真宗教義、脱カルト担当)

Profile
1993年に宗教法人浄土真宗親鸞会に入信、10年間親鸞会講師として活動。
脱会後、親鸞会の教えの誤りに気づき、本願寺派の教えを中心に学びなおす。
現在、浄土真宗本願寺派光顔寺(富山)信徒。
   光顔寺スタッフ。仏教アドバイザー。

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