【仏教ブログ】今年書かれたような御文章「秋去り春去り」(4帖目13通)

光顔寺明照廟堂(光顔寺 納骨堂)のスタッフ、仏教アドバイザーの宮田秀成です。

12月となり、今年も残すところ僅かとなりました。例年にないコロナ禍で、生活が大きく変わった人も多いと思います。しかし、過ぎて見ると本当にあっという間だったと感じます。人はいつ死ぬか分からないというのを改めて感じた年でした。

そういう今年に書かれたような御文章がありますので紹介します。

蓮如上人の書かれた御文章4帖目13通「秋去り春去り」です。

この御文章は、蓮如上人の最晩年に書かれたものです。

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そもそも人間界の老少不定のことをおもふにつけても、いかなる病をうけてか死せんや。かかる世のなかの風情なれば、いかにも一日も片時もいそぎて信心決定して、今度の往生極楽を一定して、そののち人間のありさまにまかせて、世を過すべきこと肝要なりとみなみなこころうべし。

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人間の世界は、年寄りから先に死んでいくとは決まっておらず、若い人が先に死ぬこともよくあります。そんな世の中ですから、どんな病気になって死ぬかわかりません。このような世の中の様子ですから、一日も少しでも急いで信心決定して、この度の往生極楽を定めて、その上で人間のありさまにまかせて、この世を過ごしていくことが大事であるとこころえて下さいと書かれています。

11月頃から再び新型コロナウイルスの感染が拡大しています。如何に感染しないかで、マスクを付けたり人ごみを避けたりということが続いた一年でした。しかし、新型コロナウイルスに感染をしなくても、どんな病気にあって死ぬか分かりません。

だから、「一日も片時もいそぎて信心決定して」といわれます。いよいよ死んで浄土往生を遂げるには、生きている間に信心決定の身になっていなければ出来ないからです。

南無阿弥陀仏にまかせ、信心決定した上で今年を終えていきたいと思います。

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宮田秀成/光顔寺・仏教アドバイザー(真宗教義、脱カルト担当)

Profile
1993年に宗教法人浄土真宗親鸞会に入信、10年間親鸞会講師として活動。
脱会後、親鸞会の教えの誤りに気づき、本願寺派の教えを中心に学びなおす。
現在、浄土真宗本願寺派光顔寺(富山)信徒。
   光顔寺スタッフ。仏教アドバイザー。

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